三之助 いと愉会!

【ご報告】「いと愉会!Vol.7」へのご来場、誠に有難うございました。

一時間を超える長いまくらのあと、柳家一門にとって大切な演目「道灌」が選ばれました。

一時間を超える長いまくらのあと、柳家一門にとって大切な演目「道灌」が選ばれました。

5月16日(土)に開催いたしました「三之助 いと愉会!Vol.7」はお陰様で80名を超えるご来場をいただき盛会と相成りました。毎度のご贔屓をいただき、誠に有難うございました。関係者一同、深く御礼を申し上げます。

当日の一席目は、三之助師匠が先日渡航し落語会を開かれたアフリカのタンザニアの思い出を語るまくらで始まりました。師匠にとっても深く記憶に残された経験だったようで、その活き活きと語る口調にお客さまも興味津々。スタッフも含め一同集中した中でふと気づけば、開演から一時間を経過してまだ噺に入っておらず…。

これはひょっとして、小三治師匠ばりにまくらだけで高座を降りてしまわれるのかと、慌ててしまうような、少しだけ期待してしまうような展開から、鮮やかな話の切り替えで「道灌」へ。柳家一門では入門して最初に覚えると言われている大切な演目が丁寧に演じられました。本当に長い一席でお客様の反応が心配でしたが、アンケートによるとご満足いただけたようで安堵いたしました。

長かった1席目を受けて、シンプルなまくらから廓噺でもあり人情話でもある「幾代餅」に。客席にはほろりと来たご様子のお客さまも。


長かった1席目を受けて、シンプルなまくらから廓噺でもあり人情話でもある「幾代餅」に。客席にはほろりと来たご様子のお客さまも。

それを受けての2席目は、師匠ご自身も苦笑いをしながらのシンプルなまくらから、人情噺でもあり廓噺でもある「幾代餅」へ。正直な働き者の一途な恋心が、当代一と呼ばれる花魁の心を動かし奇跡を起こすストーリーに、客席にはホロリと来たご様子のお客さまも。三之助師匠が演じられる女性は、長屋のかかぁも、大店のおかみさんも、そして花魁も、どれも人物像が美しいので、聴く人も噺の世界に入りやすいのではないでしょうか。

合計で予定の時刻を20分ほどオーバーして終了した落語会本編の後には、お腹を空かせたお客様もお待ちかねのお食事付アフタートーク「お弁トーク」です。いつも同様、会場「古材の森」さまの厨房で作られる美味しい食事を楽しみながら、進行役の「月光亭春吉」こと福岡の舞台女優古賀今日子さんを迎えて、話が弾みます。いただいたばかりのアンケートの言葉をきっかけにしながら、よもやま話が続出。今回も、高座からのお話とは一味違う噺家のトークを、存分に楽しんでいただけたようです。

終盤、会場のお客様から今日の演目がチョイスされた理由を尋ねられ、それにこたえる三之助師匠のことばにハッとしました。そう言えば当日5月16日は三之助師匠の大師匠である五代目小さん師匠のご命日。タンザニアで得た貴重な経験をどう活かそうかと思案されている師匠が、まずは初心に帰ろうかと考えながら選択したのが「道灌」。柳家一門が入門して最初に覚えるという前座話に、ご自身が培われたエッセンスを加えての一席がよりいっそう丁寧に感じられたのは、そういうことだったのかと一同納得のアフタートークでした。

進行役は自らも月光亭春吉の名で落語を披露することがある福岡の女優古賀今日子さん。

進行役は自らも月光亭春吉の名で落語を披露することがある福岡の女優古賀今日子さん。

長時間に及ぶ独演会となりましたが、ご覧いただいたみなさまの多くには、充実した時間を過ごして頂けたのではないかと感じております。一部空調の調節の不備や物音の発生などでご迷惑をおかけした部分もございましたが、次回以降に向けて改善できるよう心がけてまいりますので、お許しをいただければと考えております。

次回は、秋も深まる10月31日(土)と決定いたしました。よりご満足いただけるよう準備を進めてまいりますので、ぜひともご期待くださいませ。

席亭 拝

 

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